
レーザー距離計の「高低差計測(スロープ機能)」は、今でこそ当たり前のように使われていますが、ほんの数年前までは“存在していても使えない機能”でした。
では、いつ・どのような理由で使えるようになったのでしょうか。
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高低差計測が使えなかった時代
2018年までのゴルフ規則では、レーザー距離計そのものが原則禁止。
ローカルルールで認められた場合のみ「直線距離の計測だけOK」という扱いでした。
さらに厳しかったのは、高低差機能付きの距離計は持っているだけで失格になるケースが多かったこと。
当時すでにブッシュネルなどからスロープ機能搭載モデルは発売されていましたが、競技では完全に封印された存在でした。
2019年の大改正で状況が一変

R&AとUSGAが数十年ぶりの大改正
2019年、R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)がゴルフ規則を大幅に改正。
この改正により、レーザー距離計の扱いが大きく変わりました。
- 2018年まで:原則禁止(直線距離のみOK、高低差機能付きは持ち込みNG)
- 2019年以降:原則使用OK(ローカルルールで禁止されていなければ誰でも使える)
このルール変更が、現在の「高低差計測が当たり前」という状況を生み出した大きな転換点です。
競技では「高低差計測」は今も禁止
ここで少しややこしいのが、競技会やプロトーナメントでは今も高低差計測の使用は禁止されている点です。
ただし、
- 高低差機能付きの距離計を持つこと自体はOK
- 高低差機能をオフにして使えば問題なし
つまり、
「スロープ機能を搭載した距離計=競技NG」ではなく、
「スロープ機能を使うこと=競技NG」というルールです。
高低差機能のオンオフを“外から見える形”で示す必要性

とはいえ、同伴者や競技委員に一目で伝わる仕組みが求められた競技でスロープ機能を使わないためには、周囲に“高低差機能はオフです”と証明できる仕組みが必要です。
そこでメーカー各社が工夫を重ね、さまざまな方式が登場しました。
① フェイスプレート方式(物理パーツの交換)

本体のレンズ周りや側面にあるプレートを付け替えることで、「高低差機能オフ」を物理的に示す方式です。視覚的にわかりやすい反面、付け替えの手間がありました。
② スライド式スイッチ(色付き物理スイッチ)

本体側面に大きめのスライドスイッチを配置し、オンオフを切りけるで、ブッシュネルのレーザー距離計に多く搭載されています。
切り替えは簡単で操作性は良いものの、距離が離れると見えにくいという不満点もあるようです。
現在の主流は「LEDランプ」方式

9割のモデルが採用する理由
現在の市場では、約9割のレーザー距離計がLEDランプ方式を採用しています。特に緑色の点灯・点滅が一般的です。
その理由はシンプルで、数メートル離れた同伴者や競技委員が、プレーを止めずに一瞬で確認できるから。ゴルフ界ではすでに「緑ランプ=競技モード(高低差オフ)」という共通認識が定着しています。
LED方式は、「安全・確実・スムーズ」という三拍子が揃った、もっとも実用的な証明方法と言えるでしょう。
まとめ
高低差計測が使えるようになった背景には、2019年のゴルフ規則大改正があります。
それまでは“持っているだけでNG”だったスロープ機能付き距離計も、今では多くのゴルファーにとって欠かせない存在になりました。
そして競技での使用可否をめぐる混乱を避けるため、メーカーはLEDランプを中心とした「外から見える証明方式」を採用。これにより、安心して距離計を使える環境が整ってきています。
ゴルフの道具は、ルールとともに進化していくもの。高低差計測の歴史を知ることで、距離計選びもより楽しくなるはずです。



